焦点 臨床看護の概念化に向けて
研究
臨床実習における「看護診断」の導入
大谷 英子
1
,
松木 光子
1
1大阪大学医療技術短期大学部
pp.254-264
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900142
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はじめに
看護婦は,さまさまな看護場面を分析推論し,問題を解決する能力を必要とする。そのため,論理的な思考過程に基づく問題解決の方法論として「看護過程」が重視され,従来から授業や臨床実習の中で実施されてきた。
しかし,臨床実習で学生に接していると,情報と問題がつながらない状況によく遭遇する。一般に看護過程の中では,アセスメントが最も困難と言われる。何となく情報を集めることは出来ても,何のためにどんな情報が必要で,またどのように情報を分析・総合して問題を導くのかは極めて曖昧である。したがって患者の問題は,医学上の疾患名や逸脱した症状の羅列に留まり,学生の主観で表現されているのが現状であろう。
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