焦点 看護におけるQOLの研究[1]
解説
循環器疾患領域におけるQuality of Lifeの研究
萱場 一則
1
,
五十嵐 正紘
1
1自治医科大学地域医療学
pp.107-116
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900071
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循環器疾患の医療分野において患者のQuality of Life(QOL)への関心が高まってきたのは,論文の数からみる限り,世界的にみても1980年代後半からである。例えぼ代表的な慢性循環器疾患である高血圧領域では,筆者がオンラインデータベースMedlineで,QOLをキーワードとして英文論文を中心に検索して得た論文数(図1)は,80年代中盤より急激に増加し,1991年は10月までで100件に迫る勢いである。原著論文はその一部ではあるが,この領域での近年におけるQOLへの関心の勃興には目を見張るものがある。
疾患別にみると高血圧領域の研究が圧倒的多数を占め,虚血性心疾患領域がこれに次ぐ。ペースメーカ植え込み症例を含む不整脈心不全などの領域でも関心が高まっているが,欧米ではさらに心移植症例のQOLも中心課題の1つである。
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