特集 質的研究成果の実装と査読の役割—看護学における質的研究の現在:QUARIN-Jセミナーより
現象学的研究の査読者への期待—解釈学的循環を実現するポイント
西村 ユミ
1
1東京都立大学大学院人間健康科学研究科
pp.22-29
発行日 2024年2月15日
Published Date 2024/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681202168
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私からは,「現象学的研究の査読者への期待—解釈学的循環を実現するポイント」というタイトルでお話しします。いまほど,木下先生が質的研究全般についてお話しくださいました。私の発表は,現象学的研究を焦点化したものではありますが,広く他の質的研究にも通じるお話になると思います。また,現象学自体が哲学の1つの潮流であって,これまで現象学的運動として様々な分野において導入され,理論や方法論が発展してきているので,その意味では,分野を越えた議論になるかと思います。
お話の主な内容は,これまで私自身の研究において考えてきた方法やポイントになります。私は,研究方法として「このようにしなければならない」という考え方は解除し,探究しようとしている事象あるいは対象,研究参加者の状況に即して柔軟に検討していくという態度が必要ではないかと常々思ってきました。その理由についてもお話しいたします。
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