特集 理論をつくる・つかう・つたえる—実践にいきる理論構築に向けて
セッションA「つたえる」—看護現象を言語化する
【事例2】「わからない」を繰り返す学生が患者に必要な支援を見出すことについての考察
河野 孝典
1
1兵庫県立大学看護学部
pp.18-20
発行日 2022年2月15日
Published Date 2022/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201950
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◆背景
筆者は,教員として初めて病棟実習での教育実践を行う中で,想定外の反応を示す学生に戸惑う経験を得た。学生は筆者の働きかけに対し,たびたび「わからない」と返答し,担当患者に対して必要なケアを見出せずにいた。しかし,なぜか最終的には,患者にとって必要なケアを見出すことができた。このとき筆者は,多くの問いや質問に対して「わからない」と言っていた学生が,なぜその状況から脱して必要なケアを考えることができたのか,不思議に思っていた。学生に対して自分なりに試行錯誤しながら関わる中で,教員としての実践が学生にとってどのような意味があったのか,なぜ最終的に患者に必要なケアを見出すことができたのかについて,検討したいと考えた。
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