連載 ひきこもり状態にある本人と家族への訪問支援 こころの扉が開くとき・10
訪問支援を受けてから自分らしい働き方を見出すまでの心理的変化
斎藤 まさ子
1
,
船越 明子
2
1長岡崇徳大学
2神戸市看護大学
pp.452-457
発行日 2024年10月10日
Published Date 2024/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664202108
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ひきこもり支援にかかわって15年が過ぎた。大学で精神看護学を担当していた私(斎藤)は、15年前に地域のひきこもり家族会のリーダーさんから、自分たちを支援してほしいと依頼された。ひきこもりのこと自体がよくわからなかったため、「どうやって支援したらいいのかわからない」と正直に伝えたところ、自分たちの家族会に来て学んでほしいと言われた。それ以来、学びは続いている。
本人・家族の実際の声や様々な支援の実践報告、調査研究などから、基本的な関わり方や支援の方向性については周知されるようになった。しかし、本人が社会参加につながる必殺技や妙薬の存在について、知る限り聞いたことはない。それどころか、変化が見えない中で支援者が支援の方向性を見失いそうになることも、支援の現場ではよく聞く話である。
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