特集 看護への道—学び舎を出て3年
私の“臨床3年”
人間を愛し生きがいを見出して
北島 美智子
1
1国立松本病院
pp.29-30
発行日 1969年3月1日
Published Date 1969/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914395
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私が「看護」というものに関心をもちはじめたのは高校2年生頃である。まだこの頃は「看護とは?」などとむずかしいことは考えず,ただ何となく看護婦を望んでいたのであるが,それでもまだ進学しようか,それとも銀行マンにでもなろうかなどと参考書と睨めっこしたり,珠算クラブの部長を一生懸命やっていたりしていたのである。
ナイチンゲールの精神も全く知らぬはずの私が,看護学院の入学案内書を手にしたのは,「私自身の職業として一生涯愛せる職業を」,「家庭に入っても役に立つ職業を」と最終的結論が得られたからである。看護学生として多少の夢をえがいて入学した学院は,苦しく辛く涙が出ることも何度かあった。しかし卒業して早や3年目を迎えた今,振り返ってみると,自分の希望をかなえたい一心で国家試験をめざしていた,あの頃のファイトと根性が懐かしくさえ思われる。
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