Japanese
English
研究と報告
新入学生に見出された初期統合失調症(中安)(第2報)
Early Schizophrenia (Nakayasu) in University Freshmen (2)
田中 健滋
1
,
長江 信和
2
,
藤本 昌樹
3
Kenji TANAKA
1
,
Nobukazu NAGAE
2
,
Masaki FUJIMOTO
3
1電気通信大学保健管理センター
2国立精神・神経センター精神保健研究所
3静岡福祉大学社会福祉学部
1Health Administration Center, The University of Electro-Communications
2National Institute of Mental Health, National Center of Neurology and Psychiatry
3Department of Welfare and Psychology, Shizuoka University of Welfare
キーワード:
Early schizophrenia scale
,
Primary prevention of schizophrenia
,
Wisconsin card sorting test
,
Etiology of schizophrenia
Keyword:
Early schizophrenia scale
,
Primary prevention of schizophrenia
,
Wisconsin card sorting test
,
Etiology of schizophrenia
pp.881-892
発行日 2006年8月15日
Published Date 2006/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100790
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
抄録
2003年度の○記入方式からマークシート方式に変更したUPI+ES(初期統合失調症)スクリーニングを2004年度新入学生に施行した結果,2003年度の2倍以上に相当する929名中51名(5.5%)の初期統合失調症が見出され,マークシート方式によるESスクリーニングのさらなる有効性が示された。さらに統合失調症の生涯有病率が1%前後であることからは広い意味での一次予防が実行できる可能性が示唆された。しかし同時にその大半が生涯にわたって統合失調症へは移行しないことなどから,初期統合失調症がすべて統合失調症を発病した初期ではなく,真の「初期統合失調症」,「前駆期精神病性障害」,その他の非統合失調症性疾患の3つ以上の臨床単位あるいは疾患に分けられる可能性が考えられた。また初期統合失調症ではWCST成績低下が認められ,これが主に統合失調症圏の病態であることを示す所見と考えられた。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.