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さまざまな状況特定理論
本特集では,Dr. Eun-Ok Imの講演をもとにそのエッセンスを解説しているが,その講演の終わりにDr. Imは,Dr. Afaf I. Meleisが開発した中範囲理論であるトランジション理論(Transitions Theory)の理論枠組みを活用した「状況特定理論(Situation-Specific Theories;SST)」は現在のところ30程度存在していることを述べ,その中から,研究者や理論家が開発した代表的な5つの状況特定理論を紹介された。時間的な都合でその具体的な説明までには至らなかったが,ここ20年間においては,大理論よりも,状況特定理論のほうが数多く開発されている現状についても触れられた。将来,看護理論を発展させていくためには,臨床や実践をより色濃く反映させた状況特定理論の開発が鍵となることを力強く説明し,講演を締めくくられた。
本稿では,その5つの状況特定理論のうち,「A Situation-Specific Theory of Migration Transition for Migrant Farmworker Women」(Clingerman, 2007),「Seeking What's Best During the Transition to Adult Day Health Services」(Bull, & McShane, 2008),「Care Transitions: Integrating Transition Theory and Complexity Science Concepts」(Geary, & Schumacher, 2012)の3つの研究論文を例に,状況特定理論の多様な構築方法を説明する。
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