特別記事
状況特定理論を構築する—脳卒中後に嚥下障害を抱える患者の「移行」に関する状況特定理論の構築を例に
粟村 健司
1
,
坂下 玲子
2,3
1兵庫県立大学大学院看護学研究科博士後期課程
2兵庫県立大学
3兵庫県立大学大学院看護学研究科
pp.462-473
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002283700580050462
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状況特定理論
背景と現状
状況特定理論の背景
「状況特定理論(Situation Specific Theory:SST)」は,研究および実践とより密接にリンクする理論が必要であるという看護界の要請に応え,Im & Meleis(1999)が,新しいタイプの理論として提案したものである。
本理論の開発者であるE.O.Imは,当初,自身の博士論文を中範囲理論に基づいて取り組もうとした。しかし,中範囲理論では抽象度が高すぎて,その研究で扱おうとした看護現象に応用することが難しかった。そこで彼女は,特定の領域における看護実践に対し,より容易に適用できる理論が必要だと考え,指導教官であったA.Meleisと共に新しい理論を考案した。それが,「状況特定理論」である。

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