特集 看護学の発展にとっての理論構築─Transitions Theoryからの展望
─〈Dr. Eun-Ok Imの論考を受けて〉─状況特定理論はどう構築されるのか─理論構築を具体的にイメージするために
小野 博史
1
,
坂下 玲子
1
1兵庫県立大学看護学部
pp.144-147
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201238
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本稿では,前稿Dr. Imの論考を受け,状況特定理論の理論構築がどのようになされるのかを具体的にイメージすることをめざして,Dr. Imの論文(2010)「A Situation-Specific Theory of Asian Immigrant Women's Menopausal Symptom Experience in the United States」を例に,中範囲理論から状況特定理論を構築する一例を紹介する。
Dr. Im(2005)は,統合的アプローチを前提に,トランジション理論(Meleis, 2010),関連文献の統合的文献レビュー,そして米国在住のアジア系移民女性の更年期症状体験の調査に基づいて,この理論を生成した。中範囲理論であるトランジション理論の枠組みを用い,「トランジション状況」「反応のパターン」「看護療法」を主要概念とし,それらの関係性について説明している。ここでは,状況特定理論を生成する方法に焦点を当てて簡単に紹介するだけにとどめるので,詳細は実際の論文を参照していただきたい。理論構築について考える一助としていただけたらと思う。
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