特集 看護学の発展にとっての理論構築─Transitions Theoryからの展望
【翻訳】状況特定理論の将来の発展のために
Eun-Ok Im
1
,
鈴木 和代
2
1ペンシルベニア大学看護学部
2兵庫県立大学大学院看護学研究科博士後期課程
pp.135-143
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201237
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Situation Specific Theories(以下,状況特定理論)は,1990年代に新しいタイプの看護理論として提案されて以来,増加し続けている。現在,状況特定理論は,看護研究および実践とより密接にリンクするものとして広く受け入れられている。しかし学者の力だけでは,自身の状況特定理論の普及に限界があり,提案されてきた状況特定理論の多くは,それとは認識されないまま構築されてきた。そのため,状況特定理論をさらに体系化し今後展開していくための方向性を早急に示していく必要がある。
本稿では,状況特定理論が生まれてきた哲学的な起源などの背景,そして状況特定理論を構築するための統合的アプローチについて簡潔に述べる。そして,中範囲理論(Transitions Theory;以下,トランジション理論)から構築されてきた状況特定理論のいくつかの例をもとに,その構築プロセスの共通点を考察する。状況特定理論構築の現時点での一般的な傾向についても,例示した状況特定理論との共通点と関連づけて考察する。最後に,これらの考察をもとに,状況特定理論の構築についての将来展望を示す。
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