特集 国際学会で発表しよう─その研究が,世界をつなぐ
発表者の立場から2
国際会議でのプレゼンテーションと議論の経験─「貧困と健康」の積み上げ型アプローチ
有坂 めぐみ
1,2
1兵庫県立大学大学院看護学研究科共同災害看護学専攻5年一貫制博士課程
2兵庫県立大学大学院災害看護グローバルリーダー養成プログラム
pp.546-552
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201561
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はじめに
2017年8月,私は「スマートな国際学会発表を目指して」に口頭発表者として登壇の誘いを受けた。「なぜ,私なのかしら?」と驚いたのが正直なところであった。確かに,英語で発表はした。しかしその発表は,国内で開かれた国際会議でのプレゼンテーションであることに加え,自身の看護研究ではなく,しかも大学院のクラスメイトなど6人で取り組んだものであった。
当日は,緊張を抱きながら登壇に挑んだが,私の緊張をよそに,発表後には,「自分の研究と異なる事例を聞くことができておもしろかった」「大切なことはネイティブみたいに話すことよりも,伝えたい内容なのですね」など,さまざまな方から声をかけていただいた。また,その後2018年1月に韓国で国際学会発表(後述)を行なった際には,会場にJANPUの研修に参加されていた方もいらして,「発表を聞いて,私も英語での発表にチャレンジすることができました」と言ってくださった。こうした声を通じて,私は仲間に出会えたような気がした。そして看護学を通して,人々の健康や生活をよりよくしたいという共通の想いをもち,お互いにチャレンジしていることを実感した。
本稿では,JANPUで発表した国際会議でのプレゼンテーションのプロセスと発表の内容,それを踏まえた議論の経験,ならびに,その後のチャレンジなどについてご紹介したい。
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