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「スマートな?」国際学会発表
本稿は,2017年11月18日に日本看護系大学協議会(JANPU)国際交流推進委員会の企画により開催された研修会「スマートな国際学会発表を目指して」において,「教員として考えていること」と題して発表した内容に基づいている。研修会の趣旨等はJANPUのホームページを参照いただくこととして(http://www.janpu.or.jp/file/kokusai20171118.pdf),本特集における私への執筆依頼は,「指導した学生が学会等で論文を発表するにあたり,どのようなことを考えて指導を行なっているのかを紹介してほしい」ということであった。
考えをまとめるにあたり,まず,研修会のタイトルにある「スマートな」とは何なのだろう?という疑問にぶつかり,考えをまとめるのに少し時間を要することとなった。スマートの意味は,「賢い,機敏,小気味よい,イカす」などであり,学会発表は,あくまでも研究過程に含まれる内容について,制限時間内に発表することが求められている。研究の過程には,研究を通して明らかにしたい現象/課題の提示,研究の概念枠組みの明確化,その現象に関する現状等を含む背景と研究を行なう意義,これまで行なわれている研究の傾向,研究の対象となる人々や研究デザイン,研究データの収集方法と分析,結果と解釈,意味づけ,等が含まれる。これらについて,正確に,端的に伝えることが必要かつ重要であり,それ以下でも以上でもないというのが,私が納得した開始地点であった。研修会では国際学会発表に焦点が当てられていたので,本稿でも,論文作成過程における指導は除いて,発表に向けて私が行なったことに焦点を当てる。
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