小児保健
子どもの貧困と健康
-―健康格差社会を考える
岩本 里美
1
,
近藤 克則
2
1千葉大学大学院医学薬学府
2千葉大学予防医学センター社会予防医学研究部門
キーワード:
健康の社会的決定要因
,
ライフコース疫学
,
健康生成論
,
ストレス対処力
,
ソーシャル・キャピタル
Keyword:
健康の社会的決定要因
,
ライフコース疫学
,
健康生成論
,
ストレス対処力
,
ソーシャル・キャピタル
pp.274-281
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001662
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現在の日本では,約7名に1名の子どもが貧困状態にある.子どもの貧困は,健康格差をもたらし,生涯にわたる長期的な影響を及ぼす深刻な問題である.さらに貧困が親から子へ継承される負の連鎖により格差の固定化が起こっている.対策として,貧困の解消を目指すと同時に,すでに貧困下にある子どもたち対して,健康を保持する「ストレス対処力」を高める支援,人々のつながり・助け合いを促進する環境づくりが重要である.子どもの貧困対策は社会全体で解決すべき課題であり,臨床・地域・政策レベルでのそれぞれの取り組みに加え,それを組み合わせることによって重層的な対策が必要である.
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