連載 専門看護師CNSとは何か・3
CASE 3 「いつもと変わらず多弁・多動」と申し送られる患者への介入
大橋 明子
1
,
井部 俊子
2
,
大生 定義
3
,
村上 靖彦
4
1聖路加国際大学大学院博士後期課程
2CNS研究会
3特定医療法人新生病院
4大阪大学大学院人間科学研究科
pp.694-704
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201458
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申し送りの常套句のように「いつもと変わらず多弁,多動です」「時間で隔離をしています」と報告される男性患者(30代)がいた。長期の隔離となっているが,共有される情報量が少ないことや,解決策もなく看護師が対応に苦慮していることを察知した精神看護CNSは,病棟の看護師の見立てを聞き,彼の部屋を訪れた。彼は駄洒落や韻を踏む発話を連発,排尿はパックにするなど退行していた。
CNSは,彼は文字が思考を刺激して観念奔逸となり気分が高揚すること,さらにこの症状によって日常生活行動に関心や集中が向けられなくなっていると判断した。また,母親の死や重要他者との別れなどが自我の不安を高め,躁的防衛をするようになったと考えた。
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