連載 専門看護師CNSとは何か・6
CASE 6 自死した母親から離れない姉妹の心の手当て/CNSへのインタビュー〜現象学的分析
比田井 理恵
1
,
井部 俊子
,
大生 定義
2
,
村上 靖彦
3
1千葉県救急医療センター
2特定医療法人新生病院
3大阪大学大学院人間科学研究科
pp.264-274
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201517
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その日,自殺企図による多発外傷,CPR,心停止という夜間管理当直からの患者報告を,急性・重症患者看護CNSは捉えていた。その後,初療の看護師から受けた依頼は,突然死した母親から離れられない家族への対応であった。
救急医療センター初療室の奥のストレッチャーに横たわっている母親のそばに,大声で泣き叫ぶ次女と,うつむいている長女が女性警官に付き添われて座っていた。CNSは情動反応の激しい次女の背中をさすり,悲しみの表出を抑えている長女を気づかいながら,「こんな辛いことはないですよね,お母さんに悲しい思いを伝えていきましょう」と死者に問いかける。
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