連載 専門看護師CNSとは何か・9【最終回】
CASE 9 オブジェのようであった義足/CNSへのインタビュー〜現象学的分析
米田 昭子
1
,
井部 俊子
,
大生 定義
2
,
村上 靖彦
3
1山梨県立大学看護学部成人看護学
2特定医療法人新生病院
3大阪大学大学院人間科学研究科
pp.698-708
発行日 2018年12月15日
Published Date 2018/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201589
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透析治療が始まって数か月後,右足部に潰瘍ができて壊死となり下肢を切断したAさん(60歳台,女性)のプライマリーナースは,Aさんがいろいろな“指導”に反応しないことや,義足をつけて歩こうと思えば歩けるのに,義足はベッドサイドに立てかけたままあることに“問題”を感じ,慢性疾患看護CNSに相談した。
Aさんにとって「大切なもの」は何なのかをCNSと担当看護師は考えることとなった。義足はAさんの「義の足」とはなっておらずオブジェのようであった。2人は失われた足は,もともとAさんにとって自分のからだとはつながっていなかった存在であったことに気づいていく。こうしてオブジェから義足へと認知してもらうためのかかわりが始まる。
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