連載 専門看護師CNSとは何か・1【新連載】
CASE 1 夫の最期を迎える直前の「妻だけの1時間」/CNSへのインタビュー〜現象学的分析
宇都宮 明美
1
,
井部 俊子
2
,
大生 定義
3
,
村上 靖彦
4
1聖路加国際大学大学院看護学研究科急性期看護学
2CNS研究会
3特定医療法人新生病院
4大阪大学人間科学研究科
pp.488-498
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201424
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左室駆出率17%という低心機能状態であった30代の男性は,体外式補助人工心臓を装着してICUに入室となってから40日過ぎて広範囲の脳出血を発症した。妻は,「いつもカッコいい感じでいたい」と言っていた夫の変わり果てた姿を5歳の娘に見せるかどうかを迷った。
夫の瞳孔が散大し,一両日中に補助人工心臓を中止するのがよいと告げられた妻は,その日説明室から立ち去ろうとしなかった。同席していたCNSは病室に戻ることを促さず,妻にこう言った。「おうちの方が来られるまでの1時間やけど,自由な時間をお渡しできます」と。
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