特集 父親への保健指導とサポート
妻たちから夫たちへの要望
二宮 恒夫
1
,
尾方 美智子
1
,
出口 洋江
1
,
石川 由美
1
,
岡本 佳子
1
,
苅山 容子
1
,
栗山 典子
1
1徳島大学医療技術短期大学部 看護学科
pp.543-549
発行日 1995年7月25日
Published Date 1995/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901278
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母子保健法の改正に伴い,父親への保健指導の参考にするため,妊娠から乳児期の子育ての期間において,母親がストレスを感じる時期,妊娠中から出産後の時期の差による父親への要望内容,並びに父親に対する満足度などについて調査し,以下のような結果を得た。
1)母親がとくにストレスを感じる時期は,妊娠中は初期の0〜5か月と末期の9か月〜出産まで,出産後では0〜3か月であった。
2)出産後,父親への育児・家事に関する要望は,遊び相手,入浴の介助が高く,とくに初産婦は,夜泣きの相手,洗濯・掃除の要望も高かった。心理的要望は,妊娠中は,早く帰ってきてほしい,私(母親)をいたわってほしいが高かった。出産後は,育児の知識を身につけてが多くなった。
3)妊娠中,母親の産科への同伴希望は低く,現実に同伴している夫も少なかった。
4)父親への要望「なし」と母親の満足度との関係では,妊娠中は要望がないにもかかわらず満足度は低いという結果が得られた。
以上の結果を参考に,母子保健に従事する私たちは,妊娠中から父親にも家庭における役割に関する保健指導を具体的に充実させていくことが,母親の心理的安定につながると考える。
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