特集 質的統合法の現在─グラウンデッド・セオリーとの比較を中心に考える
Column
質的統合法(KJ法)と精神療法の接点と可能性
丸山 晋
1,2
1精神神経医療センター精神保健研究所
2復光会総武病院
pp.247
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201378
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筆者は現在,全くの精神科臨床医である。専門は精神科リハビリテーションとサイコセラピーである。40年来,KJ法を用いてサイコセラピーを行なってきた。その成果はいくつかの国内学会および国際学会で発表してきている。このテーマは編集者からいただいたものであるが,結論的にいえば「接点はおおいにあります。可能性は無限です」ということになる。以下に,その訳を書いてみる。
L.R.ウォールバーグは,精神療法とは心理学的な方法により,情緒的な性質の問題を,訓練された人物が患者との間に次の目標で,職業的な関係を打ち立てる療法である。①現存する症状を取り去ったり,変容させたり,あるいは遅延させる目的で。②混乱した行動形態を調整するために。③完全な人格成長と発達を促進する目的で。
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