焦点 科学的な質的研究のための質的統合法(KJ法)と考察法(II)
質的統合法(KJ法)を用いた修士論文指導時の気づき
正木 治恵
1
,
山浦 晴男
2,3,4
1千葉大学看護学部
2情報工房
3千葉大学大学院
4東京医科歯科大学大学院
キーワード:
修士論文指導
,
質的統合法
,
KJ法
Keyword:
修士論文指導
,
質的統合法
,
KJ法
pp.131-136
発行日 2008年4月15日
Published Date 2008/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100300
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はじめに
前号焦点で述べたように(正木,2008,pp.3-10),本号で論文を掲載した者をはじめ学生は,山浦晴男氏の質的統合法(KJ法)研修を受けた後,質的統合法(KJ法)を用いて研究を行なった。質的統合法(KJ法)はあくまで,質的研究の方法論の1つなので,学生は他の方法論も含めたなかから選択するのだが,学生にとっては,何種類もの分析方法を修得することは困難なため,自ずと自らの研究の分析方法として質的統合法(KJ法)を選択するケースが増えた。そのような状況から,一方で研究方法が一様になっていく危惧も感じた。研究目的に沿って最適の方法論が選択されるべきであるが,果たしてそうなっているだろうか,という点である。そのため,一緒に論文指導を行なっていた清水安子氏(前千葉大学講師,現大阪大学大学院教授)と,質的統合法(KJ法)選択の是非についてたびたび議論した。その過程で山浦氏から,質的統合法(KJ法)を用いた修士論文指導時の我々の気づきを素データとし,山浦氏が質的統合法(KJ法)でそれを分析していくことが提案された。本稿では,その分析結果にもとづいて,質的統合法(KJ法)を用いた修士論文指導時の気づきについて論述する。
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