書評
多様な混合研究法の全体像を効率よく学べる入門書
大山 裕美子
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1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科・看護キャリアパスウェイ教育研究センター
pp.155
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201241
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研究実践において,研究目的をもとにリサーチクエスチョンを立てる際に,質的研究法または量的研究法のどちらかで行なうことを意識するあまり,本当に自分が明らかにしたかったことから少し遠ざかってしまう経験をすることは珍しくないことであろう。そのような中で,混合研究法(Mixed Methods Research;MMR)は,質的研究法または量的研究法の一方のみでは十分に明らかにすることができなかった研究課題に応えうる可能性があることから,看護研究においても近年注目が高まっている。
しかし,いざMMRについて勉強しようとすると,書籍による内容や用語,主張の違いに遭遇したり,トライアンギュレーション法など従来の研究方法との違いがわかりにくかったりして,暗中模索に陥ってしまう方も少なくないだろう。本書は,このような状況を打開する道しるべとなり,「そういうことだったのか」と霧が晴れ,MMRの意義が腑に落ちるような感覚を味わえる1冊である。
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