特集 卒後臨床研修の必修化を控えて
【新しい卒後臨床研修の枠組み】
研修カリキュラムの全体像
福井 次矢
1,2
1京都大学大学院医学研究科臨床疫学
2京都大学医学部附属病院総合診療科
キーワード:
共通カリキュラム
,
研修理念
,
行動目標
,
経験目標
,
ローテイション
Keyword:
共通カリキュラム
,
研修理念
,
行動目標
,
経験目標
,
ローテイション
pp.417-420
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100605
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平成14年10月,厚生労働省は,医道審議会医師分科会医師臨床研修検討部会(部会長:矢崎義雄)および新医師臨床研修制度検討ワーキンググループの議論を踏まえて,臨床研修の到達目標を取りまとめた.その内容は,国立大学医学部附属病院長会議常置委員会教育研修問題小委員会卒後臨床研修必修化に関する検討部会(部会長:福井次矢)が平成13年12月に報告した国立大学附属病院卒後臨床研修共通カリキュラムをほぼそのまま踏襲したものとなっている.このことは,国立大学附属病院として,卒後臨床研修義務化を控えて,医師に求められる基本的能力とは何かについて真摯に検討した内容が非常に優れていたためなのか,厚生労働省が2年間の研修を修了した医師にどのような臨床能力を身につけておくべきか,明確なビジョンを有しておらず,国立大学附属病院のまとめた案に便乗せざるを得なかったのかは定かでない.
本稿では,国立大学附属病院長会議の提唱した「共通カリキュラム」に厚生労働省がどのように手を加えて最終的な「研修目標」としたのかを検証しながら,主として大学病院に勤務する医師の立場で作成したカリキュラムの限界を認識するとともに,厚生労働省の視点がどこにあるのかを考えてみたい.
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