特集 理論をつくる・つかう・つたえる—実践にいきる理論構築に向けて
理論構築の旅に出よう
坂下 玲子
1,2,3,4
1兵庫県立大学
2兵庫県立大学看護学部
3兵庫県立大学臨床看護研究支援センター
4第1回理論看護研究会
pp.10-12
発行日 2022年2月15日
Published Date 2022/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201947
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看護現象を言語化し体系化を図る機運
「看護現象」と一言で言っても,それは実に多様な側面をもち,一瞬一瞬に消えてゆく。つかみどころのない多様な現象の中で,臨床家や研究者たちは,対象となる患者さんや住民にとってよりよいケアは何だろうか,自分の実践はそれでよかったのだろうか,ともがいている。そのような混沌とした状況の中でも,現象を記述し,説明し,今後起こるであろうことを予測させ,未来を変えていける力を与えてくれるのが,理論である。
こうした思いに駆られた兵庫県立大学看護学部(以下,本学)の有志が集まり,2017年から看護理論の勉強会を毎月1回のペースで行うようになった。最初は,Dr. Afaf Meleisの名著Theoretical Nursing(2017)の輪読から始まり,次いで,Knowledge Development in Nursing(Chinn, & Kramer, 2015)を読み,さらに参加者それぞれお気に入りのMiddle range theoryを紹介し,いまは,Strategies for Theory Construction in Nursing(Walker, & Avant, 2019)の輪読を行っている。COVID-19の感染拡大に伴い2020年からは遠隔による勉強会に切り替えたが,このことが幸いし,遠方の先生方にも参加いただけるようになった。
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