焦点 看護における家族研究の現状
研究レポート
脳卒中後遺症をもつ高齢患者の家庭復帰—患者を含めた家族の介護指導へのかかわり
清水 洋子
1
1積善会看護専門学校
pp.342-350
発行日 1989年7月15日
Published Date 1989/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201032
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はじめに
病院という整えられた状況の中で,ある程度自立できている患者であっても,家庭に戻るとその環境の変化に適応できないことがしばしばある。特に脳血管障害で後遺症をもったまま退院する場合,リハビリテーション訓練に積極的な患者であっても,その意欲を持続させるためには,特に家族の理解と協力が求められる。
しかし,近年,家族のライフサイクルの変化に伴い,核家族化,高齢化が進み,障害をもったまま家庭に戻るには,介護者をはじめとしてさまざまな問題がある。一度退院しても,家族の介護負担から,患者の身体機能の低下が起こり,再入院してくるケースも多い。そのため,施設から家庭へ戻る過程においては,患者を受け入れる家族への援助の必要性が強く感じられる。
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