Japanese
English
研究と報告
脳卒中後遺症患者の夜間せん妄
Nocturnal Delirium in Patients with the Sequelae of Strokes
田中 恒孝
1
,
種村 純
2
,
望月 秀郎
2
,
山本 晴康
2
,
藤田 勉
2
Tsunetaka Tanaka
1
,
Jun Tanemura
2
,
Hideo Mochizuki
2
,
Haruyasu Yamamoto
2
,
Tsutomu Fujita
2
1信州大学医学部精神医学教室
2リハビリテーションセンター鹿教湯病院
1Department of Psychiatry, Shinshu University School of Medicine
2Kakeyu Rehabilitation Hospital
キーワード:
Patients with strokes
,
Nocturnal delirium
,
Types of delirium
,
Precipitating factors
,
Psychological features
Keyword:
Patients with strokes
,
Nocturnal delirium
,
Types of delirium
,
Precipitating factors
,
Psychological features
pp.1069-1075
発行日 1984年10月15日
Published Date 1984/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203835
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抄録 リハビリテーション病院入院中の脳卒中後遺症患者のうち,夜間せん妄を主訴として精神科を受診した59例(男性33例,女性26例,44〜78歳で平均65.5歳,右片麻痺27例,左片麻痺31例,両片麻痺1例)について夜間せん妄の様相を検討した。
亜急性期,慢性期を問わず脳全体機能が著しく低下している患者は,入院による環境変化を契機にせん妄を呈するものが多く,このような患者のせん妄内容は貧困で運動不穏と意識混濁が前景に立った。一方,知的機能がある程度保たれている患者が夜間せん妄を呈するときには,身体的ないしは心理的誘因の認められる場合が多く,せん妄は錯覚,幻覚や妄想に彩られた。これらの体験内容は不安や苦悶など日頃の患者の心理を反映する場合が少なくなく,患者の抱いている不快感情が体験の中に直接的に表現されることもあるが,現実を否認した願望充足的な内容となって現われる傾向のあることを認めた。
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