ベッドサイドの看護
脳卒中後遺症患者への援助を通して学んだこと
山内 正子
1
1福島県立会津総合病院内科病棟
pp.500-504
発行日 1978年5月1日
Published Date 1978/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918391
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はじめに
脳卒中は,わが国成人の死亡第1位を占め社会的な関心も広がりつつある.これら脳卒中患者の社会復帰のためには,施設の整備,人的資源の確保,福祉の充実,受け入れる社会の体制などが必要である.しかし現実には卒中発作を起こして社会復帰できる事例は少なく,多くの患者はいわゆる‘寝たきり老人’となって,家族の世話を受けたり病院で一生を終わることも少なくない.
この事例に取り上げたSさんは,1年の長きにわたって食事介助を必要としたが,Sさんに対する1つの働きかけが,対象へのアプローチの方法と認識のズレを気付かせ,マンネリに陥りがちなスタッフの気持ちにゆさぶりをかけ,その後入院した脳卒中患者の看護に対する態度の変容が認められ,貴重な体験をしたので反省とともに報告したい.
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