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焦点 看護における家族研究の現状
海外文献
家族システム:価値観と価値観摩擦—臨床実践と看護教育への理論の新しい応用
Family Systems: Values and Value Conflicts: New Applications of the Theory to Clinical Practice and in Nursing Education
Ardis R. Swanson
1
,
Patricia M. Hurley
1
,
松谷 美和子
2
1New York大学看護学部
2日本ルーテル神学大学
pp.351-358
発行日 1989年7月15日
Published Date 1989/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201033
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序
価値観について明確にすることは,看護実践者や看護教育者の注意を惹いてきた(Coletta, 1978;Uustal, 1978)。我々は,価値観に関する文化的情況に,もっと注目したいと思う。個々の人間が価値的判断を志向するようになり,特定の価値観を身につけ,人生の諸状況に価値観を適用していくのは,ある文化的集団内においてである。価値観のこうした文化的由来があらゆる関係について回ることは避けられず,さまざまな文化的背景をもった社会では,価値観や価値志向の差異に基づいた多くの緊張や摩擦が生じることになる。
我々の臨床業務および看護学生指導コースでは,自己および他者の価値志向について明らかにするよう促す努力をし,この知識をグループ内の摩擦の診断に役立てた。価値観の差異は人々の摩擦の唯一の源ではないが,ほとんどの摩擦の根底に価値志向がかかわっているであろうと想定した。Florence Kluckhohn(1958)による人類学の古典的研究は,我々の理論的見解および臨床実践への応用を展開する刺激剤となった。価値観に対する文化的方向づけの重要性に関する我々の論旨に意味をもって役立つ研究は文献検索で見当たらなかった。我々は,Kluckhohnの理論が,家族内の摩擦のみならず,家族と他の個々人や集団間の緊張や摩擦の診断にも役立つことを見いだした。
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