連載 統計学のキー・ポイント─「検定」に焦点を当てて・6【最終回】
対応のある場合の2グループの有意差検定─Tests for the Difference Between Matched Pair Groups
髙木 廣文
1
1東邦大学看護学部
pp.700-709
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200030
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対応のある場合とは?
高血圧症の患者グループに減塩指導を行なったとします。実施した減塩指導は本当に効果があったのかを,どのように調べればよいでしょうか。1つの方法として,指導を受けた患者グループについて,指導前と指導後の塩分摂取量を測定し,指導後の塩分摂取量が指導前よりも少なくなっていれば,実施した指導は有効であったと考えてよいでしょう。または,最終的な目的は血圧を下げることですから,指導の前後で血圧を測定し,実際に血圧が下がっていれば,減塩指導は有効であったと考えてよいでしょう。
同様に,ダイエットの効果を知りたければ,体重を測定し,以前よりも減っていればダイエットは成功したものと考えてよいでしょう。また,学生に講義を行ない,その講義が有効であったかは,講義内容に関連する知識量の増加が1つの目安になります。講義の効果を調べるには,同一の内容の試験を講義の前後に行ない,講義の前後での得点の増加を調べることで,その講義の評価が行なえるはずです。
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