Siesta
統計的有意差?
湖崎 淳
pp.113
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901905
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学会発表や論文では統計処理をよく行います。大きな数を処理する場合,非常に有用です。しかし,2つの群を比較する場合,母集団の差が大きいと検定できません。たとえば,ある手術合併症がA群の患者では20/100に発生し,B群の患者には5/10発生した場合,“有意差なし”となります。発表では「有意差はありませんでした」とそのまま通りすぎてしまうことが,たまにみられます。特に理由がわからない場合はそうです。確かに数学上では比較できません。しかし,B群の患者の半分には発生する可能性があり,日々の臨床では十分に注意が必要です。一度コンピュータに入力すると,あとは数字とのにらみ合いです。判断もコンピュータがしてくれます。最近はスライドまで作ってくれます。しかし,臨床家ならばもう一度カルテを自分で見ましょう。なにか“匂って”くるかもしれません。そしてその“匂い”も我々に教えてほしいと思います。明日受診する11人目のB群の患者に役立てたいと思います。ちなみに私はコンピュータは苦手です。
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