連載 助産婦のための疫学入門・3
“有意に差がある”とは,どういうことか
三砂 ちづる
1,2
1国際協力事業団(JICA)ブラジル家族計画母子保健プロジェクト
2ロンドン大学衛生熱帯医学校母子疫学ユニット
pp.170-173
発行日 2000年2月25日
Published Date 2000/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902352
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疫学と統計
連載第1回で,「疫学とは地域住民の健康を把握するためのツール」と言いました。「疫学・統計」といったように,いつも統計学と一緒に考えられることの多い疫学ですが,疫学=統計学ではありません。「地域住民の健康を把握する」には,統計学はひとつの重要な方法ですが,それのみでは状況把握には不十分です。
Epidemiologist(疫学者)はStatistician(統計学者)ではありません。もともと数学を専攻してきたStatisticianは,すばらしいEpidemiologistになることがよくありますが,逆はあまりなさそうで,今まで聞いたことがありません。まったく数学の才能がないEpidemiologistも多いようです。かくいう私も,数学に泣かされてきた10代を送りましたので,Epidemiologistとしてどこまで適性のある人生を送れるか,定かではないところです。
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