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なぜ博士課程に進もうと考えたのか
私は,専門看護師や看護管理者としての臨床実践の中で,当時はevidenceをとり入れたスタッフの教育プログラムや,スタッフがevidence based practiceを実践できるような仕組みづくりの開発に取り組んでいた。プログラムを展開する中で,プログラムに加わってくれたスタッフが少しでも成長してくれることを念頭に置き,evidenceを取り入れ,看護実践していくためにはどのようにしたらよいのか,それらの実践を通して学べるようにさまざまな支援活動を行なってきた。活動に参加したスタッフからは,「勉強になった」「大変だけど面白かった」といった感想をもらったり,また病棟師長からは,「プログラムに参加してスタッフが変わってきた」などのフィードバックは受けていたが,そのプログラムの効果をもっと客観的に示すことはできないだろうか,と常に課題を感じていた。確かに教育的立場の人間としてスタッフの行動や考え方が変化したことは感じ取れるが,CNSとしてはそれだけでは不十分で,具体的に人を説得するに値する成果として示すための十分な評価ができていなかった。それは時間的にも,当時の自身の能力の点からしても,取り組むのが難しいことだった。それを克服するべく,博士課程に進み研究的な視点でプログラムを評価し展開し,世に示すことができたらと思い,博士課程に進学することを決めた。
印象的なエピソード
そのような思いのもとに,どこの博士課程に進もうかと考え始めた頃,運よく,修士のときにお世話になった指導教員のDr. Erika Froelicherがぜひいらっしゃいと声を掛けてくださったので,再び,サンフランシスコでの学生生活を始めることができた。入学時のオリエンテーションで印象的だったことは,ある先生のお話の中で,博士課程というものは,自分の研究テーマと“Fall in love”して,指導教員とは,“Get married”するようなものだという言葉があったことだ。
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