特集 質的研究を学び合う JRC─NQRの実践
言語学と質的看護研究―JRC─NQRと私
江藤 裕之
1
1東北大学大学院国際文化研究科
キーワード:
言語学
,
人文学
,
看護学
,
質的研究
,
量的研究
Keyword:
言語学
,
人文学
,
看護学
,
質的研究
,
量的研究
pp.275-279
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100656
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看護学は何学か?
時の経つのは速いものである。もう,かれこれひと昔ほど前のことになるだろうか。私の前任校の長野県看護大学で,米国からある看護学者をお招きし,ご講演いただいた。そのときのことで,いまでもはっきりと覚えていることがひとつある。
ご講演の後の話の中で,「先生のお話を聞いていると,看護学とは結局のところ人文学に思えるのですが」と戯れに問いかけてみると,その先生が「そう,その通りです」とお答えになったことだ。そのとき,私がhumanitiesと言ったこと,そして先生がOh, yes, yes.と少し間を置いてyesを力強く2度言われたことが,いまでも鮮明に記憶に残っている。その先生は,看護倫理がご専門で,たしか『Nursing Philosophy』というジャーナルの編集にかかわっておられたように記憶している。ご講演の内容も「看護の哲学」に関するものであったと思う。詳しい内容は忘れてしまったが,おそらく看護学は人を対象とした学問であり,人への哲学的な考察(洞察)が大切だといったお話をいただいた後でのやり取りだったのだろう。
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