焦点 看護学の基盤形成にいかすメタ統合―質的研究の蓄積と活用
[解説]
なぜいま質的研究のメタ統合が必要か
石垣 和子
1
,
山本 則子
2
1千葉大学看護学部
2東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
キーワード:
質的研究
,
メタ統合
,
看護学
,
メタスタディ
Keyword:
質的研究
,
メタ統合
,
看護学
,
メタスタディ
pp.351-357
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100326
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メタ統合の試みの背景
本焦点は,質的研究の知見を統合する我々の取り組みの紹介である。質的研究を統合し,さらなる学問体系の発展をめざすために活用するという発想は,1980年代後半から人類学・教育学といった分野で試みはじめられ,1990年代後半からは,看護学でも北米を中心に始められている(Bondas & Hall, 2007)。
日本の看護界では,看護の研究が活性化され,質的な方法で研究された論文も急速に増えており(岡・岡山・香取・立岡・高橋,2005),質的研究の統合の必要性が,多くの看護学研究者によって認識されはじめた。2003(平成15)年に,我々の研究プロジェクトが21世紀COEプログラムに採択されたことを契機として,我々は質的な方法で行なわれた研究を統合して,日本文化型看護学の構築に活用することを試みた(Ishigaki, Masaki, Nakamura, Miyazaki, & Yamamoto-Mitani, 2006)。
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