焦点 看護ケアの質評価と改善─研究の成果と今後の発展に向けて
【看護ケアの質評価・改善システムについて】
構造評価
坂下 玲子
1
1兵庫県立大学看護学部
キーワード:
看護の質評価
,
システム
,
構造
,
質改善
Keyword:
看護の質評価
,
システム
,
構造
,
質改善
pp.377-382
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100461
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構造評価の目的
前稿で紹介があったように,「看護ケアの質評価・改善システム」は看護ケアの質を,構造,過程,アウトカムの3つの側面において評価し,そこから改善を導こうとするものである。この3つの側面それぞれにおいて,看護ケアの6つの領域,「患者への接近」「内なる力を強める」「家族の絆を強める」「直接ケア」「場をつくる」「インシデントを防ぐ」に関して検討する。本稿では,3つの側面のうちの「構造」に関して紹介する。
「構造」は,看護ケアが提供される前提となる人材,設備や備品,システムを評価する。質の高い看護ケアを提供するには優秀で豊富な人材がいて,その人材を十分活用できるようなシステムが整っていることが必要である。また実際に看護ケアを行なう際に必要になる物品や設備,患者にとって快適な入院環境といったハード面の充実も看護ケアの質に影響する。ここでは,看護ケアを保証する構造という視点で抽出された指標(内布・上泉・片田,1994;片田ら,1996)をもとに,前述の6領域に関して問うている。
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