Japanese
English
焦点 糖尿病自己管理のアウトカム指標(II)ナショナルスタンダードに向けた日本での取り組み
糖尿病教育アウトカム指標開発のプロセス
The Process of Developing Outcome Measures of Diabetes Education
稲垣 美智子
1
,
多崎 恵子
1
,
村角 直子
1
,
河村 一海
1
,
松井 希代子
1
,
早川 千絵
2
Michiko Inagaki
1
,
Keiko Tasaki
1
,
Naoko Murakado
1
,
Kazumi Kawamura
1
,
Kiyoko Matui
1
,
Chie Hayakawa
2
1金沢大学医学部保健学科看護学専攻
2金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻
キーワード:
糖尿病
,
糖尿病教育
,
アウトカム指標
,
患者教育
,
介入
Keyword:
糖尿病
,
糖尿病教育
,
アウトカム指標
,
患者教育
,
介入
pp.581-590
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100114
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はじめに
糖尿病教育におけるアウトカム指標の重要性および必要性は,糖尿病教育実践者は誰もが感じているのではないだろうか。また,これまでにもその取り組みがなされていなかったというわけではない。「糖尿病教育」という介入の成果が「糖尿病患者のニーズ」を充足しているのだろうか──現場はいつもこの問いを発しながら糖尿病教育を実践している。
この問いに対して,減少しない発症者数,未受診者数,合併症の発症者数,あるいは心理的負担感をもつ患者が多いなど,「糖尿病患者のニーズ」を充足する「糖尿病教育」を提供しているとはいい難い現実に直面しているのが現状である。この現状に対して,これまでとはスタンスの異なる教育方法の提案がなされ,近年の「セルフマネジメント教育」に発展し,多くの人たちに支持されるに至っている。つまり,「アウトカム指標」という言葉は使ってはいないが,その概念に相応する取り組みはこれまでも重ねられてきたといえる。その一端が「知識伝授型教育」から「セルフケア教育」,そして現在の「セルフマネジメント教育」への変遷であろう(表1)。
本稿では,私たちが1999年から糖尿病教育改善に取り組んだプロセスを紹介する。まだ途中段階であり課題も多いが,糖尿病教育のアウトカム指標を考える1事例として参照していただき,今後のアウトカム指標に関する研究への議論の材料にしていただくことを目的にした。
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