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はじめに
大学院生が海外で研究,研修,実践を行なう場合,研究の受け入れ先の教員や国際担当教員,実践の場の看護職者をはじめとする保健医療福祉職者,事務職員,関係者,患者,家族,地域の人々とは,英語でコミュニケーションをとりながら進めることが求められる。しかし,看護学において大学院生を対象に,海外で研究を実施するために,英語によるコミュニケーション技術を学ぶための具体的な方法を提示した教材は少ない。
そこで今回,本学では,「看護学国際人育成教育プログラム」により,英語によるコミュニケーション技術を学ぶことを目的として,『English Communication Skills for Graduate Students of Nursing』というDVD教材を製作した。
本DVDは,大学院生が自身の看護研究を米国で実施するために,米国人の大学教授と病院の看護師長に,研究受け入れに関するe-mailでの交渉方法,研究計画の説明方法,研究を行なう状況における日々のコミュニケーションなどを具体的に示す内容から構成されている(表1)。実際のDVDは,小児看護学を専攻する博士(前期)課程の架空の大学院生Yoko Yamamotoが,小児看護領域で活躍する看護師の職務満足感に関する研究を米国で実施することを想定した内容である。本学に在籍する大学院生をモデルとして,米国の大学と病院(想定モデル)に出向き研究に取り組むところまでを,プロセスを追って製作している。また本DVDは,英語の発音を学ぶことも意図して,すべて英語で製作した。
本稿では,筆者らが製作した本DVDシナリオから,e-mailでの交渉方法と,研究計画書に関する内容を中心に抜粋して,日本語を加えて紹介し,英語によるコミュニケーション技術の方法の要点を解説する。なお,文中の人物や大学の名前,e-mailアドレスはすべて架空のモデルである。
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