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はじめに
近年,国内外で多数の看護系国際学会が開催されるようになってきた。国外で開催される学会は,語学面でも渡航費用の面でもハードルが高かったが,日本で開催される国際学会も増えており,以前よりも参加しやすくなったといえるだろう。
国際学会は,諸外国で行なわれているその分野の最先端の研究に触れることができる上に,諸外国の研究者と直に接することで,知識の交流だけでなく,新たなネットワークを形成するまたとない機会になる。研究者同士のネットワークにより,共同研究の可能性や,新たなインスピレーションを得たり,意見交換を通じて批判的吟味を行なうことができるなどのメリットがあり,さらに高度な研究を進めるためにも,研究者としての自身の成長のためにも非常に有益である。
本学大学院保健衛生学研究科は,高度な教育力・研究力を養い,国際的に活躍できる実践力,語学力,プレゼンテーション力,コミュニケーション力を養うことを教育目標としている。これらの能力(アカデミックスキル)を養うことを「アカデミックトレーニング」と呼んでおり,外国人講師による講義・演習や,英語による論文作成をめざした講義・演習,海外協定大学への学生の派遣とともに,大学院生の段階から,研究成果の発信として英語による論文作成,国際学会における発表を支援している。そこで,海外で研究を実施することを想定したDVD教材『English Communication Skills for Graduate Students of Nursing』(詳細は前稿・佐々木論文参照)に引き続き,国際学会での発表を想定した『English Presentation Skills for Graduate Students of Nursing』を製作した。本稿ではその内容を一部紹介し,国際学会で発表する際に求められるアカデミックスキルについて考察する。
なお,DVD中に登場する人物・研究等はすべて架空のものである。
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