Japanese
English
研究と報告
境界性人格障害(BPD)の実践的対応法―eメール・ノートを利用した常時サポート法(ENH)
Practicing Counter Measure in Borderline Personality Disorder (BPD): Always support method by using e-mail and note book (ENH)
宮本 洋
1,2
Hiroshi MIYAMOTO
1,2
1つくば病院
2ストレスケアつくばクリニック
1Tsukuba Hospital, Tsukuba, Japan
2Stress Care Tsukuba Clinic
キーワード:
Borderline personality disorder
,
e-mail
,
Note book
Keyword:
Borderline personality disorder
,
e-mail
,
Note book
pp.143-151
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102653
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
抄録
境界性人格障害(BPD)の治療については,さまざまな方法が紹介されているが,多くは専門的な知識と対応技術を要し,必ずしもその実践は容易でない。eメール・ノートを利用した常時サポート法(ENH)は特別な知識も技能も要しない治療的対応法である。行動化に対して短期入院を利用しつつ,eメールや交換ノートを面接に併用して「ある程度の患者-治療者間距離」を保ち,患者の治療者に対する投影的同一視や密着を避ける対応法である。この経過中の対応は支持的精神療法に徹する。そうして治療者の負担を減らしながら長期にわたって患者を見守る。ややもすると悲観的になりがちなBPDへの治療だが長期的な予後はそう悪くはないとする報告もある。長期の治療関係を維持できれば,本人の内在的な治癒力(人格的成長)による改善も期待できる。
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.