連載 質的研究を科学する・3
テクストの主観的解釈は科学的か
髙木 廣文
1
1東邦大学医学部看護学科
pp.221-228
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100369
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質的研究の本質再考
すでに第1回目の連載で述べたように(髙木,2009a),あらゆる質的研究に共通する本質は,研究に関する情報を最終的には「言語化しテクスト化すること」である。そのようにして作成された一連のテクストを研究目的に応じて細分化し,その内容を適切に表わすと考えられる名称を与えるのが(コード化,ラベリングなど),質的研究での最初の分析といってよいだろう。
このような,質的研究の最も重要なデータとなる情報の収集方法は,実際には図1に示したように,①研究者自身の観察や主観によるデータ,②情報提供者から得たデータ,の2通りに分けることができる。
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