焦点 科学的な質的研究のための質的統合法(KJ法)と考察法(I)
北京大学看護学院教員・院生の研修体験感想から浮かび上がる質的統合法(KJ法)の姿―民族による受け止め方の違いと質的研究法としての有効性の解明
山浦 晴男
1,2
1情報工房
2千葉大学大学院
キーワード:
質的研究法
,
質的統合法
,
KJ法
,
質的帰納法
,
コスモス法
Keyword:
質的研究法
,
質的統合法
,
KJ法
,
質的帰納法
,
コスモス法
pp.33-48
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100291
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はじめに
本研究は,アクションリサーチ(広田,1963,pp.34-47,171-174)1)の領域に属する研究である。
筆者は,2007年1月に北京大学看護学院での質的統合法(KJ法)の指導研修の支援の機会をえた。
千葉大学看護学部では,2003~2007年度にわたる文部科学省21世紀COEプログラム「日本文化型看護学の創出・国際発信拠点─実践知に基づく看護学の確立と展開」のサブプロジェクトA「日本型対人援助関係」の一環として北京大学看護学院との共同研究を行なっている。本号の拙著別稿「科学的な質的研究のための質的統合法(KJ法)と考察法の理論と技術」(pp.11-32,以下「理論と技術」と略す)において述べたように,日本において筆者はすでに質的統合法(KJ法)を用いて研究を進めている。サブプロジェクトAでは,比較研究の角度から,中国の側でも質的統合法(KJ法)で研究に取組む必要性があり,その支援として今回研修が実施され,その技術指導を筆者が担当した。
本研究は,質的統合法(KJ法)の研修による実技体験後,受講した北京大学の共同研究者に受講感想を求め,それを基礎データに研究疑問を解明することを目的とした質的研究である。
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