焦点 介入研究─理論とデータに結びついたケアプログラムをデザインする
介入研究Intervention Researchに向けて行動パターンへの効果的な介入援助をデザインする
Frances Marcus Lewis
1
,
水野 道代
2
1Family and Child Nursing, School of Nursing, University of Washington
2石川県立看護大学
pp.7-15
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100168
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はじめに
介入研究を看護学の分野で実践している人はわずかである。その数は全米で100人にも満たないかもしれない。このため米国や英国の研究論文を読んでも,なかなか記述研究の域を出る論文に当たらないのが現状である。
このセミナーでは,患者のために介入援助プログラムをデザインするために,どのように記述研究からはじまり,どのように系統的な枠組みを利用するかまでを学ぶ。ここでめざしているのは,データに基づき,理論を用いた,介入研究をデザインするために必要な,しっかりとしたスキルを身につけることである。
「行動パターンへの効果的な介入援助をデザインするdesigning effective behavioral intervention」というフレーズは,本セミナーの全体像を示しており,「理論とデータをプログラムに結びつけるmapping theory and data onto program」というフレーズが本セミナーのキーワードとなる。ここで使うプログラムとは,介入援助Interventionのことである。
看護師は静かな単純な現象を観察することがよくあるが,実際の看護の現場は,活発で,変化しつづけている。人の暮らしや生きざまは,石ころよりも川の流れに似ている。石ころは記述研究のようであり,川の流れをモデル化することに挑戦することが介入研究である。川の流れを変えることよりも,石ころを描写するほうが簡単である。実際に多くの看護師は,介入研究よりも記述研究を行なっている。
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