焦点 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチをめぐって
―[M-GTAを用いた原著論文・2]―小児看護学実習における学生と受け持ち患児との関係形成プロセス
柴 邦代
1
1愛知きわみ看護短期大学
キーワード:
小児看護学実習
,
学生
,
患児
,
関係形成
Keyword:
小児看護学実習
,
学生
,
患児
,
関係形成
pp.397-410
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100029
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小児看護学実習における学生と受け持ち患児との関係形成はどのように経過していくのかを明らかにすることを目的とした質的帰納的研究を行なった。小児看護学実習直後の3年課程看護専門学校の学生32名を対象に半構成的面接を行ない,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。
その結果,小児看護学実習における学生と受け持ち患児との関係形成は,第1段階〔受け持ち患児との融和化〕・第2段階〔融和化による関係性の成熟〕をコアカテゴリーとする連続的プロセスであることが明らかになった。第1段階では,学生は《接近手かがり探索行動》《融和化接近行動》【実習課題的ケア行動】を開始し,【患児反応の読み取り】【視点の転換】【新たな対処行動】を経て,《患児との融和》を目指していた。そして,第2段階では,《患児との融和》に到達したことで【患児への愛着形成】【患児にとっての特別な看護者としての自覚】【ケア行動の円滑化】【対処行動への自信】の生じた学生が,《融和化とケア行動の一体化》を行ない,最終的に【看護者としての達成感】を得ることを目指していた。
以上の結果から,小児看護学実習においては学生がスムーズに《患児との融和》に到達し,その上で患児との関係性を利用して《融和化とケア行動の一体化》を行ない,最終的に【看護者としての達成感】を目指していけるように指導していく必要性が示唆された。
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