特集 データでみる「助産所のお産」 嘱託医療機関との連携で実現する安全性と継続性
—7.移行症例の検討②—産後出血多量への対応—助産師の検査・注射・投薬などの医療行為
ハンズの会
1
1医療法人社団均禮会 府中の森 土屋産婦人科
pp.50-55
発行日 2024年2月25日
Published Date 2024/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202243
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嘱託医師の視点
助産所の分娩経過は,生理的な陣痛発来と生理的な陣痛の経過です。子宮収縮剤に反応しない難治性の弛緩出血や大きな軟産道損傷による産後出血は稀です。注意が必要なのは経産婦の産後出血多量の再発です。既往妊娠に出血歴があると有意に高い再発率を認めます。また出血多量の診断には注意が必要です。出血量が500mLを基準とすると,それを超える出血は助産所の症例の25%になります。そのためショックインデックス(SI)を併用して緊急母体搬送の適応を検討します。
助産師による臨時応急の医療処置の準備も必要です。臨時応急の約束処方を作成して,血管確保の上,補液剤,代用血漿剤,オキシトシンなど薬剤投与を可能にしておきます。危機的産科出血対応ガイドラインの改定が進み,助産所も早期の産後出血への対応に取り組んでいます[図]。
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