特集 データでみる「助産所のお産」 嘱託医療機関との連携で実現する安全性と継続性
—7.移行症例の検討③—医療連携における緊急帝王切開—嘱託産婦人科医師の28%が現在分娩を取り扱っていない施設という現状をどう考えるか
ハンズの会
1
1医療法人社団均禮会 府中の森 土屋産婦人科
pp.56-59
発行日 2024年2月25日
Published Date 2024/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202244
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嘱託医師の視点
嘱託産婦人科医師の28%が現在分娩を取り扱っていない施設といわれます1)。助産所から緊急帝王切開が必要な症例を受けることは,嘱託医師(以下,嘱託医)には大きな負担となります。時間外の人員確保,手術室の準備など小規模施設には大きな負担です。365日24時間体制の準備が必要になります。しかし,速やかな娩出,術後の母体管理,新生児異常が予想される症例は周産期では避けられません。まず,症例のリスク因子の事前の把握[図][表],搬送のタイミングを打ち合わせておくことが必要です。
この症例のリスク因子は,妊娠41週に入った初産婦です。CTGで異常を認め,回旋異常の診断でした。緊急母体搬送の場合,CTGの記録(子宮収縮,基線,基線細変動,一過性徐脈),救急車要請時間,現地出立時間,移送先の現着時間,分娩時間,新生児のAPGAR,臍帯動脈血ガスのデータなど,助産所側のカルテの記録も必要です。
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