特集 妊娠中の体重管理と栄養
妊娠・出産・育児期の栄養に関するエビデンスをアップデートする
鈴木 瞳
1
,
大田 えりか
1
1聖路加国際大学大学院国際看護学
pp.252-260
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202150
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日本では,「小さく生んで,大きく育てる」ことがよいという考えがあり,「小さい赤ちゃんを産むことでお産が楽になる」,「小さく生まれても大きく育てればよい」と言われることもあった。しかし,最近のエビデンスでは「小さく生まれる」ことは,DOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)説が代表するように,胎児期や乳幼児期に受ける環境からの影響により,その後の生涯の健康リスクや特定の疾患のリスクを上昇させることが明らかとなっている1)。また,妊娠中の母体の体重増加不良が,低出生体重児のリスクを増加させる要因となることも明らかにされ,2021年に厚生労働省により「妊産婦のための食生活指針」が改定された2)。
本稿では,妊娠・出産・育児期の栄養に関して,国内・国外の最新の指針やガイドライン,エビデンスレベルの高い出版論文を用いて,アップデートしたいエビデンスを紹介する。
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