レポート
女性受刑者の社会復帰支援に向けた英国における取り組み—英国ブロンズフィールド女性刑務所およびイーストウッドパーク女性刑務所視察報告
鈴井 江三子
1
,
泉 千晶
2
,
野口 千里
2
1大手前大学国際看護学部
2加古川刑務所
pp.168-171
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202132
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2014(平成26)年4月より女子施設地域連携事業(元 女子施設地域支援モデル事業)が実施されています。筆者も同事業に参加し,もうすぐ8年目を迎えます。この間,女性受刑者の養育体験や未成年期の行動特徴,および罪名別にみた出所後の帰住地や支援者等に関する調査結果を報告してきました1,2)。また,深刻な性暴力や児童虐待を受けた女性受刑者は,被害に対する適切なケアや支援を受けないまま成長し,精神的問題を内在しながらわが子を養育していることも明らかにしました3)。
しかし日本においては,受刑者の処遇は懲罰が中心となっていたため,虐待被害によるPTSDをもった女性受刑者へケアを実践することは困難でした。そのような中でも,筆者らは,いかに処遇を改善すれば彼女たちへのケアにつながるのかを模索してきました。その一環として,研究協力者の刑務官と一緒に,女性受刑者の処遇改善に取り組み始めた海外の女子刑事施設の見学研修を行い,本誌に報告してきました4,5)。
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