連載 舩山's Eye 精神看護の延長線上にある「ケア」・2
ご存じですか!?「受刑者や刑務所出所者のヘルスケアニーズ」
舩山 健二
pp.161
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201257
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日本では、「司法精神看護」=「医療観察法に基づく看護」という認識がもたれています。しかし「司法精神看護」には他にも、受刑者を対象とする「矯正看護」のうちの「精神障害を有する受刑者に対する看護」、さらには「精神保健福祉法に基づく医療を受けている触法精神障害者の看護」も含まれます。
受刑者や刑務所出所者が一般の医療機関を受診することもあり、刑務所から入院治療を要請される場合があります。全国各地の医療機関において入院治療を受けた受刑者のケースは2011〜2020年の10年間に10,792件あり、平均すると1年あたり約1,079件です。その多くが身体疾患に対する入院治療ですが、中には精神疾患の治療のために精神科病床に入院するケースも存在します。そういった看護を経験された読者の方もいらっしゃることでしょう。精神科病床への入院は通常「精神保健福祉法」が適用されますが、受刑者などの特殊な身分にあると、「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」第62条3項に基づく入院となります(この点について精神保健福祉法には、第43条「刑事事件に関する手続等との関係」という規定が設けられています)。
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