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英国のヘルスビジターによる産後の母子支援—視察からの学び
成瀬 昂
1
,
岩崎 りほ
1
1東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻地域看護学分野
pp.422-427
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201190
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はじめに
2018年3月12〜14日の3日間,イギリスのロンドン北部にあるハイゲートとマズウェルヒルの住宅街に近い,ホーンジー中央ヘルスセンター(Hornsey Central Neighbourhood Health Centre1):写真1)を訪問した。訪問の目的は,地域の母子保健を担うヘルスビジターの業務の実際と,それに対する住民の生の反応を知ることであった。東京大学大学院では,2014(平成26)年度から大学院修士課程で保健師教育を実施しており,当時主に保健師教育を担当していた地域看護学分野の教員である筆者ら2名が訪問した(写真2)。
本稿では,ヘルスケアセンターやヘルスビジターについての一般的な詳細は割愛する。むしろ,視察で見聞きしたこと,加えてヘルスビジターや研修生,その教育者と討議して感じたことを,できるだけその通り紹介したい。そうすることで,本稿を読んだ後,日本の保健師の働き方や専門性,日々の苦労ややりがいについて,ふと違う視点から見たり,考えを深めたりするきっかけになりやすいと考えたためである。
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