レポート
もっと知ってほしい,母子感染症と共に生きる子のこと—『もふもふライリーとちいさなエリザベス』出版に寄せて
渡邊 智美
1
1先天性トキソプラズマ&サイトメガロウイルス感染症患者会「トーチの会」
pp.184-185
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201992
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「トーチの会」は,先天性トキソプラズマ症と先天性サイトメガロウイルス(以下,CMV)感染症の子を持つ母親らを中心として,2012年に発足した患者会です。母子感染症の予防啓発活動や,ピアサポートなどに力を入れてきました。トーチの会の由来はTORCH症候群で,母子感染症のうち,胎盤を介して胎児に感染しさまざまな障害をきたす病原体(Toxoplasma gondii=トキソプラズマ,Others=その他多くのウイルス,Rubella virus=風疹ウイルス,Cytomegalovirus=サイトメガロウイルス:CMV,Herpes simplex virus=単純ヘルペスウイルス)の頭文字を取ったものです。
特に,トキソプラズマとCMVは共通点が多く,例えば,まだワクチンがない,気を付けても完全に予防するのは難しい,妊婦が感染しても気付きにくい,子どもの症状も非特異的なものや後になって明らかになるものが多く見落とされがちという共通点があります。
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